このブログでは、おすすめゲームも随時紹介して参ります。
ウディタメインのブログとして最初に取り上げるべき作品は、やはりなんと言ってもまずはコレ。
ウディタ名作の筆頭『片道勇者』
言わずと知れたSmokingWolfさんの代表作にして、ウディタ製ゲームの金字塔でございます。
http://silversecond.net/contents/game/katamichi_brave/
SmokingWolfさんの過去作であるツクール2000製RPG『シルフェイド幻想譚』と同様、かわいらしいドットのキャラクターが広大なワールドマップで繰り返し冒険するという、周回性の高いRPGです。
武器や防具を装備し、レベルを上げながら町や洞窟をめぐり、最終的には魔王を倒す……と、このあたりはまっすぐ定番のRPG。
本作の特色は、この冒険の舞台となるワールドマップを左から右へ、ずっと歩いていくことです。
縦横無尽の冒険ではありません。上下の幅は限られていますし、左側へ戻ると死にます。
来た道を戻ることはできないのです。ゆえに「片道勇者」。
触れるものすべてを飲み込む、謎の「闇」が追いかけてくるから。
闇から世界を救うべく、プレイヤーのあなたは勇者となって歩み続ける――これがこのゲームの目的です。
遊ぶたびに異なる体験
なぜ「強制横スクロール」で「片道」だけなのか。
それは、王道RPGにローグライクのシステムを採用するために必要な制限でした。
ローグライクや不思議のダンジョン系と呼ばれる、いわゆるダンジョンRPGでは洞窟内部のフロアをすすむたび、マップがランダムに自動生成されていきます。
このランダム性のおかげで、飽きることのなく1000回遊べるゲームを謳うシステムになっていますし、それを4000回遊ぶ人も出たほどです。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1712/08/news117.html
この仕組み・おもしろさををワールドマップ探索メインのRPGへ輸入するために必要なのが、「片道化」だったのです。
ローグライク/不思議のダンジョン系は憶えきれないほどのモンスターやアイテム、それらが組み合わさった際に起こるシナジーの把握と大変に複雑なジャンルなのですが、『片道勇者』は「左から右へ進む」という大原則があるために、やるべきことはむしろシンプル。
進めた距離がスコアであり、魔王の打倒ですら最終目標ではありません。
勇者はあなたが満足しない限り、片道の冒険をどこまでも続けていくのです。
このフレームに即した世界設定やシナリオも考察のし甲斐があって、実に深い。
ローグライク/不思議のダンジョン系ゆえ、不運にも理不尽に困難な展開を招くこともあるでしょう。
そこもぬかりなく、クリアできずに倒れたとしても次の冒険を有利にするサポート機能が充実しています。それはプレイヤースキルであったり、新要素を開放するポイントであったり、引継ぎアイテムであったりします。
失敗した! 悔しい! でもなにか新しいものが手に入った!
となれば、すぐにでも次の冒険を始めたくなってしまいます。
気が付けば数時間も熱中していることがザラ。『片道勇者』は時間泥棒でもあるのです。
不朽の人気
2012年発表の本作は、2015年井有償版アップデート『片道勇者プラス』へ進化しました。
http://silversecond.net/contents/game/katamichi_plus/
さらには2018年の現在、ヘックス型マップとなった「片道勇者2」が開発中(アルファ版掲載ページ)。
おどろくべきことに、2015年にはスパイク・チュンソフトさんからコンシューマー化もしているのです。
http://www.spike-chunsoft.co.jp/furikatsu/
2016年にはTRPGルールブック化。イラストはイラストレーターのモタさんですね。
http://katamichitrpg.tumblr.com
いやあ、関連作も豊富かつ壮観ですね。
『片道勇者』は、すでに「ブランド」にまで育ったわけです。
こうした展開の体験を振り返って語られるSmokingWolfさんの開発記録2本も、ゲーム作者には必読です。
http://silversecond.net/contents/game/katamichi_making/
今後の動きにも目が離せません。