【おすすめゲーム】シルエットノート

ウディタメインのブログではありますが、良いゲームはたくさんあって、話題を限ってしまうのも少々もったいない話です。特にツクール作品はウディタユーザーにも参考となるものが多く、ウディタ名人はツクール名人であることだって多いのです。

SmokingWolfさんのもうひとつの代表作、シルフェイドの系譜

 

シルエットノート
ウディタ製の『片道勇者』は以前ご紹介した通りの名ブランドですが、今回紹介する『シルエットノート』(公式DLsite)も重要な作品です。

【おすすめゲーム】片道勇者

『シルエットノート』はツクールXP製で、シルフェイドシリーズのひとつです。

初期のSmokingWolfさんは『シルフェイド見聞録』『シルフェイド幻想譚』など、同じ「シルフェイド」の名を冠したシリーズを展開しており、作品間でふんわりと関連しながら、おぼろげながら大きな世界観をうかがわせておりました(作品リストは公式サイトからどうぞ)。

作品同士がはっきりと地続きになっているというよりは、共通のモチーフを踏襲しながら作家性を洗練しているような雰囲気。

そして、そこで出てくるモチーフというのが、WILLという意志の力であったり、トーテムという守護霊のような存在であったり、世界を見守るリクレールという女神であったりしたのです。

これによって、異なるゲームジャンルに挑んでも「その作家らしさ」が保たれ、親しみやすい作風となっていたように思います。事実、『見聞録』はADVで、『幻想譚』はRPG。エイプリルフール企画から本当に作品となった『シルフェイド学院物語』は育成シミュレーションと多彩です。

WILLなんかは『片道勇者』でも取り入れられていますし、優れた周回性が魅力の高密度RPG『幻想譚』がある意味ではその祖型と言えるでしょう。

シルエットノートはあらゆる意味で集大成

『シルエットノート』はタイトル「シルフェイド」入ってないじゃん!

と、お思いの方、ごもっともです。ですがゲーム画面を見ていただければ一目瞭然。

『シルエットノート』は、学園モノADV『シルフェイド見聞録』の正統進化です。

『見聞録』、『幻想郷』はどちらもRPGツクール2000によるフリーゲーム。RPGツクールでアドベンチャーゲームを作って、しかも自作戦闘まで入れてきた『見聞録』は、発表当時かなりのインパクトがありました。それはもう信じがたい作り込みでした

『シルエットノート』はエディタをツクールXPに移して発表されたSmokingWolfさん初の有料ゲームとなり、これ以降の作品はほぼ自作ツールのウディタによって作られています。ツクールでの作歴としては本作が一区切りでもあるのです。

以上が2005年11までの出来事。

『シルエットノート』は10年以上前のゲームということになりますが、侮るなかれ。『片道勇者』などの開発を経た2018年5月、グラフィックやゲームバランスの微調整が行われ、DLsiteでの発表となったのです。

SmokingWolfさんの創作活動は20年にわたり、その節目節目に表れるのが本作なのですね。

 

ゲーム概要

村上シシトという少年を主人公としたコマンド選択アドベンチャーです。

オリジナルの戦闘システムも搭載。

学生生活をメインとした物語を読み進めながら、要所要所で遅刻回避デスレースなミニゲームをしたり、ネコミミ魔法少女に変身して悪漢を蹴散らします。シシト少年が。マスコットキャラはリスです。

僕はなにを書いてるんだろう……

でもウソ偽りなくこれが公式なのです。

2010年代は変わり種の魔法少女モノが増えまくり、「男なのに魔法少女」なんてのも珍しくは無いのですが、本作は2005年からそれやっていたわけです。先見の明などと言うのは生温い。チャレンジ精神にあふれる怖いもの知らずのギャグセンスのなせる業でした。

トガりまくった作品のように見えるかもしれませんが、骨子は熱い王道です。

危機に陥ったある種の箱庭世界を救うため、女神に見いだされた主人公がWILLや理力といったキーワードに象徴される知略と勇気で困難に挑むというもの。舞台はSF感あふれる海上都市ながら、そこに迫った謎や悪に抗すべくシルフェイド世界にはおなじみの女神様がファンタジーな救いの手を差し伸べて……というお話なのですね。

DLsiteでも10年来のファンの皆さんが熱いレビューを投稿されています。
こちらの頒布ページもご参考に!
シルエットノート