【おすすめ情報】片道勇者開発記&ゲーム開発者の地図

ゲーム制作を志す者、とくにウディタユーザーである我々にとってウディタや『片道勇者』の作者であるSmokingWolfさんは憧れの存在です。

代表作の『片道勇者』は一大ブランドとなりコンシューマー化もしたほどで、「なんなんだろう……天才なのかな……」と思うばかりの業績。しかし当然ながらSmokingWolfさんも、普通に悩んで普通に失敗して、普通に成長して普通に喜んでステップアップしてきた努力の人なのですね。

そんな作者人生を赤裸々にしたためた読み物があるのです。

SmokingWolfさんの20と4年

まずはSmokingWolfさんの作歴をさらってみましょう。

1998年 初の作品完成&公開 『レジェンドオブレストール1・2』
2001年 『シルフェイド見聞録』開発・公開(~2006年まで)
2005年 『シルフェイド幻想譚』で『テックウィンDVD 2005年4月号』コンテストパーク金賞受賞
2005年 『シルエットノート』発売(初のシェアウェア)
2008年 『WOLF RPG エディター』公開
2008年 『モノリスフィア』公開
2010年 『シルフドラグーンゼロ』公開
2011年 『シルフェイド学院物語』発売
2011年 『片道勇者』公開
2014年 『片道勇者プラス』発売
2015年 片道勇者のコンシューマーリメイク『不思議のクロニクル』発売
2016年 片道勇者のTRPGルールブック化
2017年 『プラネットハウス』公開(標準誤差StRのPERYKARN氏との共作)
2018年 『片道勇者2』開発中
1998年から2018年現在までで20年の作歴があり、代表作である『片道勇者』の開発にはそのうちの4年を費やしていることがわかります。というわけで「20と4年」であり、それぞれを振り返る開発後記のような読み物が出ているのです。

片道勇者開発記

全5章でできています。

1章が片道勇者ができるまで。2章では片道勇者の海外進出(英語版リリース)と有料拡張版の『片道勇者プラス』へのステップアップ。3章に至り、コンシューマリメイクでの経緯と背景が明かされます。ラストの4・5章は設定資料とサイドストーリー小説という嬉しいファンサービス。

2章3章の躍進パートが目を惹きますが、英語化に際しては「一文が長くなるからテキスト処理が大変!」、プラス版作成に際しては「もっとゲームとして楽しく、納得のいく形に!」と飽くなき向上心がほとばしっています。これだけ努力するなら、そりゃあ躍進もするよなぁ! というほどの。この熱意にあてられて、こちら側まで創作意欲が奮い立ちます。

そしてやはり最も胸躍る白眉は1章。これは、本当なら一言つぶやいて忘れるようなギャグっぽいネタを「いや、待てよ……?」とばかりに拾い上げ、輝く名作にまで磨き上げるその過程の記録です。

「強制横スクロールRPG」。その一言が片道勇者になるまでの物語。ひとつの小説であるかのように起伏に富んで、もうめちゃくちゃに面白いのです。

 

最近ではウディタ・ツクール作品のsteam進出もすすんでおり、多言語対応(ローカライズ)もゲーム作者にとっては切実な課題です。ローカライズまわりの体験談としても、たいへん貴重な一冊ですね。

 

ゲーム開発者の地図

こちらは、なんとSmokingWolfさんのサイトで同じものが読めてしまいます。

もともとずーっとつけ続けている制作日記(開発日誌)を電子書籍にまとめ直したものだからです。サイトにあると言っても、雑記も交えて10年以上のログがありますから、オイシイところをピックアップするだけでも付加価値が生まれてくるわけですね。

章立ては大きく2つ。1章のゲームバランス編と、2章のメイキング編です。この2大テーマにそって、過去ログを抽出し並べなおしているのですね。「補助魔法って、どうなんだろう? 状態異常は?」「楽しく続けられて頓挫しない作り方って、こうじゃないかな」そんなかたちで、親しみやすい語り口ながらに歴20年という知見に基づいた示唆にあふれた一冊です。

SmokingWolfさんのみならず、他の実力派ゲーム作者さん方もわいわい意見交換している様子が挿入されているのも楽しいですね。ウディコン常連さんたちによる失敗談やノウハウ、ゲーヲタトークは楽しく読めて参考になってと良いこと尽くめ。

 

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