シンプルで、しかし奥深い話ですね。ゆっくり内容を充実していければと思います。
正式名称はWOLF RPGエディター
一言で言えば「超高性能なフリーのRPG制作ツール」です。
公式サイトの紹介文を引用しましょう。
○高度なRPG開発が可能な、完全無料のゲーム制作ツールです。
○作成したゲームは自由に配布・販売・コンテスト投稿などが可能。
○コモンイベントを導入することで、ゲームシステムを無限に強化できます!
作者はSilverSecondのSmokingWolfさん。
もともとツクール系列の『RPGツクール2000』にて、『シルフェイド見聞録』『シルフェイド幻想譚』といった名作を制作していた方です。
よりご自分に適したツールを求めて、このウディタを開発。2008年からフリーウェアとして公開され、vectorや窓の社で華々しい受賞歴を誇っています。
10年経った2018年の今もアップデートや手厚いサポートも継続中です。
作者さん自身が、このウディタでゲームを開発しているのですからそれも納得ですし、すさまじいまでの高水準。
かゆいところに手が届く、なんならかゆくなる前にかいてくれる勢いです。
どんなゲームがつくれるの?
どんなゲームでも作れます。
RPGでもSRPGでもACTでもADVでもSTGでも。
無料でDLできますから、フリーゲームを作ってみたいならとりあえず触ってみても損はありません。
ウディタはSmokingWolfさん自身が、自分用に作ったエディターですから、SmokingWolfさんご自身の活動そのものがウディタの作例と言えますね。
なかでも『片道勇者』はフリーゲームながらにすさまじいヒット作となり、強化版の『片道勇者プラス』や回顧談の『片道勇者開発録』がリリースされたほか、TRPGブック『片道勇者TRPG』や、コンシューマーのゲームソフト『不思議のクロニクル 振リ返リマセン勝ツマデハ』としてリメイクされるほどになりました。
夢の広がる話です。
また、毎年夏休み時期の7月に行っている公式コンテスト「ウディコン」も見逃せません。
2017年の実施で第9回を数える本企画、毎年50~70作は応募があり、今では遊びつくせないほどの顔ぶれです。ここにあるものすべてが、ウディタで作られた作品なのだから、おどろきです。
どうやってゲームを制作するの?
基本的なことは、公式サイトで充実しております。
以下の案内があり、すべてに目を通せばそれなりに使いこなせることでしょう。
・WOLF RPG エディター パーフェクトガイド
・WOLF RPGエディターではじめるゲーム制作
さくっと読める入門サイトとしては、こちらも参考にどうぞ
作品ができあがったら、ご自分のサイトなり、ふりーむさんなりに投稿してもよいでしょうし、ウディコンに応募するのも、ひとつの目標ですよね。
有料ソフトの制作にも使用できますので、コミケやDLsiteなどで頒布するのも良いでしょう。
ツクールとの違いは?
SmokingWolfさんがツクールユーザーであったため、ウディタはツクールに影響されている部分が非常に多いですね。
ベースはツクール同様、見下ろし型2DRPG用のシステム。
チップを1マス1マス並べてマップを作り、同じ要領でイベントとしてキャラクターやモンスターを配置。イベントを起動させて、文章や音楽の演出をしたり、戦闘やお店の買い物の処理を呼び出していきます。
とまあ、専門的にはいろいろありますが……
ライトユーザーさん、初心者さんにとって重要なポイントは、「ウディタはインストール不要で、アップデート継続中のソフト」という点ではないでしょうか。
ツクールではインストールやユーザー認証、RTPがまず敷居が高い。いわゆる躓きの石ですし、ツクール2000、VX、MVなど着実に進化しシリーズを重ねていくだけに、新しいシリーズが出た時、古いシリーズから乗り換えるべきかどうかで、結構悩んでしまいます。
ウディタにはそのあたりをあまり不安がらなくていい強みがあるのです。
インストール不要で動くソフトが、ずっと使い続けられるのです。
2015年発売の「RPGツクールMV」以降、ツクール系はwindowsだけではなく、macやwebブラウザにも対応したマルチプラットフォームとなりました。これに合わせ、基本操作もキーボードとマウスの両対応に。こうした特徴は、ウディタにないツクール側の強みですね。
ウルファールさんはかわいい
ウルファールさんはかわいいのです。
重要なことなので、ぜひ覚えてくださいね。
夕一(ゆういち)もかわいい。
彼女はサンプルゲームにてガイド役をつとめてくれるキャラです。
いわゆるマスコットですね。
おなじくサンプルゲーには謎のブラジル人P・G・エディ、しゃべるニワトリ夕一と濃ゆい面々が揃っております。
ちなみに彼らの名前を並べると……
そう、「WOLF RPGエディター」となるのです。
SmokingWolfさんのしゃれた遊び心なのですね。
存在感あるマスコットだけに、ウディコンでもウルファールさんたちにフィーチャーした作品が多数。
プレイヤーとして遊ぶだけのつもりでも、サンプルゲームには触れておくと、元ネタがわかって二度美味しくてと、おすすめです。