【まとめ】ウディタ製SRPG8選+α

筆者の土日は「ウディタでSRPGをつくろう!」と意気込んで、技術的な勉強をはじめました。各種講座も、SRPG制作の下準備として出てきたものです。そうした中で大いに参考になったのが、ウディタ製SRPGの先行作。いわば大先輩のみなさんですね。

これらを一通りおさえておけば、「ウディタでなにができて、なにができないか」あるいは「自分はシステムをどう組み立てたいのか」が見えてきます。おなじSRPGでも、武器射程の仕様だったり、操作がキーボードかマウスか違ったりで、意外とバリエーション豊かなものです。

なにより、ふつうに遊んでもおもしろい作品ばかり。ぜひお目通しください。だいたい発表年順に並べていますので、ウディタ製SRPGの技術史のように眺めることもできそうです。

2008年~

名作フリゲ『システリアの奇妙な冒険 第5部 ~黄金の一週間~』

DLはこちら オープンソース!

2010年5月という、ごくごく初期に公開されたウディタSRPGです(ウディタの発表は2008年!)。

1ステージのみの作品ではありますが、マウス操作やクリッカブルなミニマップ、ちょっと珍しい親切機能のフラッグや、SRPGとしては複雑な部類の「担ぐ」「変身」といった多機能・高機能ぶり。しかもそれがオープンソース。

ウディタでSRPGを語るには、まず押さえるべき古典と言えるでしょう。

ウディコン第2回26位『マジギレの錬金術師』

DLはこちら> ※ウディコン公式ログより

2010年夏に発表されたSRPGです。『システリア』に並ぶ草創期の一品。
怒涛のギャグで攻め倒すシナリオとは裏腹に、システリアとはまた異なった硬派なシステムのSRPGです。

ステージも複数ありしっかり遊べ、範囲攻撃なども実装されている一方、キーボード操作オンリーであったりといろいろな意味でシステリアと好対照をなしています。

ウディコン第4回31位『その男、魔王につき』

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『システリア』や『マジギレ』から数年後の2012年になり、クォータービューSRPGが登場しました。マップが疑似3Dというだけではなく、向きや高さの概念もしっかりと踏襲されたシステム。いわば「TO(タクティクスオウガ)ライク」のSRPGです。

疑似的なマップ旋回まで実装されているのだからとんでもないです。開発日記でも制作時の様子がうかがえて興味深いところですね。

 

ウディフェス参加フリゲ『フェアリーズエメラルド』

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上記クォータービューSRPG登場と同時期、高いユーザビリティと豊富なステージ数の正統派「FEライク」が登場しました。つまり、有名な商業SRPGの『FE』(ファイアーエムブレム)を熱烈にリスペクトしたSRPGです。

ウディコン第2回にてwiz(ウィザードリィ)リスペクトの『Abyss and Dark ~平和の代償~』を発表された方の作品ですね。『Abyss and Dark』はプラットフォームを変更して、パワーアップ版のシェアウェアも出ております。

『フェアリーズエメラルド』は開発時期がちょうどFEに革新を起こした『FE覚醒』と重なるためか、ファミコン時代の初期FEを再現しつつも、アイテムバンクでの武器回数の統合や、元来あったキャラ同士の支援効果をよりフィーチャーしたペアリングシステムなど、新しい風も取り入れた作り。
ブログの詳細な開発記録も必見です。

 

2013年~

ウディフェス参加フリゲ『グラン内戦記』

DLはこちら

2013年発表作品。『フェアリーズエメラルド』と同じく見下ろし型マップ形式(トップビュー)のSRPGということでやはりFEライクな印象ですが、槍の射程が2以上と広かったり、装備の重量が強く問われたりと、より要素の多いゲームデザインとなっております。

よりシビアなひりつきを求める方におすすめですし、難易度調整も可能な親切設計となっています。

作者さんのサイトが消えてしまったのですが、『グラン外伝』といった別作もありました。ブログは健在で、こちらにも読みごたえある開発記録が。

 

開発中フリゲ『SoulsMemory』

DLはこちら

2014年発表。こちらもいわゆるTOライク系統のシミュレーションRPGですね。

上記『その男、魔王につき』も高い完成度のクォータービューでしたが、本作ではさらに美麗なマップチップの処理などがなされた発展版と言えるでしょう。

そしてなんと、その環境を「qSRPGシステム」として公開している気前の良さ!


参考
qSRPGシステムVer2.62公開彼岸の亀の世迷言

 

ウディコン第9回25位『リトルナイト』

DLはこちら オープンソース版はこちら(リンク)

2017年のウディコン第9回参加作品。『フェアリーズエメラルド』同様のFEライクですが、こちらはより最新のFE(if)に寄せたシステムです。隣り合う味方と連携しての攻撃だったり、使用回数を気にしなくてよいお手軽な武器の仕様だったりと、フェアリーズエメラルドよりも今風な操作感となっています。ドット表現への愛着も感じる仕上がり。

SRPGはキャラやステータスが多くて操作が大変忙しい。本作ぐらい、至れり尽くせりだとプレイングも快適ですね。

ウディコン第9回参加作品『死後の世界に触れた彼女は』

DLはこちら> 作者さんサイトがリンク切れのようなので、ウディコン公式ログより

『リトルナイト』と同時期発表の変わり種SRPGです。特殊な召喚システムを搭載した詰め将棋チックなパズル要素が特色ですね。

UIも独特ですが、これはスパロボ系統のSRPGエディターである「SRC(Simulation RPG Construction)」のリスペクト。ウディタのなかでSRCという別環境を再現したかっこうですね。すまさじい愛と熱意です。

ウディコン第10回では、その続編『レクイエム』も発表。

 

番外編~解説サイトや別ツール~

講座サイト

藤田工房


参考
12月15日、SRPG? っていうの?藤田工房

システリアよりもさらに早い2008年の記事です。

「最低限のSRPG」と自称しておられますが、SRPGとしては必要十分な機能が揃っています。オープンソースのプロジェクトを配布するから、覗いてみてね、というスタンス。

※現在、藤田工房さんはシステリアを参考にすることを推奨しておられます。

 

銀日記


参考
ウディタでSRPG講座目次銀日記

SRPGの作り方は、ググれば結構出てきます。でも大半はプログラム言語がわかる人向け。「ウディタSRPGを作るため」の解説にがっつり取り組んでおられるのがこの銀日記さんです。

オープンソースの作品は「コードを見て学んでね」というスタンスですが、こちらでは手取り足取りの指南をしてくれます。最終更新は2012年ながら、今なお高品質な解説記事と言えるでしょう。

シェアウェアのツール・講座

FEライクエディター『SRPGstudio』

SRPG Studio(DLsiteへ)

ウディタで作らない、というのもひとつの手です。

こちらの『SRPGstudio』はFEライクなSRPGエディターとしては豪華すぎるほどの機能・素材が揃っていますし、2015年のリリースから2019年3月現在まで、ほぼ毎月のように精力的なアップデートを継続中。公式サイトでのサポートも手厚いのがうれしいですね。

『SRPGstudio』は高機能なだけに、ウディタでSRPGを作る場合にも大いに参考になるでしょう。「この機能は自分は使わない」「こんな機能を追加したい」と考えるからこそ、わざわざウディタでSRPGを作ろうと志したはず。

 

しかし、正統派なSRPGを望むなら『SRPGstudio』は充分すぎるほどの高機能なエディターです。

あのひとがこのツールでフリゲを発表なさっているのもインパクト大。


参考
VestariaSagaⅠヴェスタリアサーガ公式サイト

 

 

PIRATES 7(パイレーツセブン)

PIRATES 7(DLsite頒布ページへ)

こちらはニンテンドーSwitch向けにも移植された名作SPRG。unity製なのですが、制作者さんのブログによると開発初期はイメージ固めとして上記のエディターSRPG Studioを使用されていたご様子。

 

 

TinySRPG アルゴリズムブック

TinySRPG アルゴリズムブック JavaScriptのコードで学ぶ シミュレーションRPGの処理(DLsiteへ)

「JavaScriptが多少わかる」という方にはコレ。作歴の豊富な作者さんによる、あんちょこ集となっています。

著者は、下記PVのような意欲的なSRPGを作られているスゴ腕さん。

るてんしとさんという方で「クロノス・クラウン」というサイトを運営されていますが、ゲームをテーマにした小説も発表されてとマルチにご活躍中です。

 

名作ウディタ製シェアウェア『MILLION T@CTICS!』

公式Twitter> <販売ページ> <体験版

2018年発表。一大ジャンルとなったバンダイナムコの『THE IDOLM@STER』。そのひとつ、「ミリオンライブ」で二次創作SRPGをウディタで作り上げた傑作がこの一本。

ウディタでSRPGを作ることのみならず、シェアウェアとしての展開方法、二次創作としての真摯さと原作愛を背中で語る必見の作品です。

 

筆者もSRPGづくりに挑戦してみました

よければどうぞ。

【ウディタ講座】SRPGをつくろう! まとめ

 

こんなのもオススメです(著者が勉強のためにあれこれ集めてよかったもの)