ウディタによるゲームの祭典、ウディコンもとうとう節目の10周年。このお祭り騒ぎに集結した傑作フリーゲームをエントリー番号順にプレイ&ご紹介してまいります。
どれを遊ぼうかお悩みの方や、プレイした作品の感想を共有したい方に楽しんでいただける記事になれば幸いです。
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<更新8/11>エントリー番号【60】まで掲載!
ジャンプ【>10】【>20】【>30】【>40】【>50】【>60】
【1】『AN EARTH2 ~3つの地球と未来ドロボウ~』
作者 : スパイ03 さん
プレイ時間 :10時間(本編5分)
2作目でも変わらぬ奇天烈さ、悪童系RPG
第9回ウディコンで総合7位に輝いた『AN EARTH』の続編です。グラフィック的なトーンはあの名作『MOTHER』の隠れもないリスペクトの反面、挑戦的なタイトル画面がすべてを物語るギャグとパロディの奔流です。言うなれば話のわかるムーンサイド。
RPGとしての作りこみも誠実なだけにギャップ好感度も高いニクらしいやつですが、この続編になると物語やグラフィックのスケールアップはさることながら、「キック」(スライディング)を実装が目玉。障害物を蹴散らしながらのダッシュ移動は爽快であり、また一般人にケンカを売ることすら可能。とんでもないシナリオ性とシステム性の融和が果たされてしまいました。
【2】『とめさんのお宿にて~ほのぼの日常編~』
作者 : とめさんのお宿プロジェクト さん
プレイ時間 :15~30分
ごった煮オールジャンルなメスケモ特化ノベルゲーム
ウディタといえばケモなのです。その表れか、今回のウディコンは特にケモ度が高いですね。本作はウディコン第6回総合1位『RainyTower』の標準誤差StRさん主導のコラボ作品となり、魅力的な4人のメスケモがお宿に集い織りなす物語です。
高いユーザビリティのノベルゲームシステムとショッキングな冒頭は、さながら推理モノ。かと思えば独特の戦闘システムが開陳されてと、30分のプレイ時間の間に目まぐるしく展開は転がります。ともすればチグハグになりそうなノリをつなぎとめるのは蠱惑的なメスケモたち。メスケモはすべてを包み込むのです。
【3】『ケモノ勇者がケモノ魔王の手下にお仕置きされる話』
作者 : ケモプレ制作委員会 さん
プレイ時間 :1時間~2時間
カオスなケモノDRPGのオリジナル戦闘システムの意味深ゲー
『とめさんのお宿にて』と並んでエントリーしたのは偶然か必然か。本作は高純度のケモノです。獣度100%とか120%のキャラクターたちによる、なんとも意味深な物語。魔王に挑む勇者という強固な定番を、ここまで意識させない意味深テキストは達意の域と言えます。
マップは『ウィザードリィ』を思わせるDRPG調の3D。クラシックではあるものの、その意味深ケモの世界観が奇妙なムードを醸成しています。いざ戦闘となれば、オーソドックスなコマンド選択のバトルにカードゲームのフェイズ概念を導入した独特の感触です。とにかく何にも似ていない妖しい個性が光ります。
【4】『メタルメサイア -鋼の救世主-』
作者 : くろくま さん
プレイ時間 :2時間程度
あなたはエンジニア、だから最強メカを目指すのだ
世紀末のにおいのする世界観で、プレイヤーのあなたは如月重工に就職します。自律ロボ「メック」のエンジニアとなったからには、当然、その装備やAI(行動方針)を思うままにエディットし、最強のメックを目指すのです。それ以上の説明は要りません。浪漫とはそういうものです。
ゲームの進行は編成とミッション受注を繰り返すいわゆる「クエスト形式」。ミッション中は通常のRPGの操作感ですが、戦闘はメックによるオートバトルのため、エディットが本作のキモ。買い物&装備編成なわけですが、グラフィックが細かく設定されたメカパーツの換装というフレーバーがたまりません。浪漫とは砂と錆と鉄と油から成るのです。
【5】『カヤミセツナ』
作者 : 今門 楽々 さん
プレイ時間 :10~20時間程度
ファンタジックなコンパクト牧場経営シミュレーション
放浪中のあなたは、ふしぎな猫を追いかけ道に迷います。そこに親切なドワーフが現れ、荒れ果てた牧場で生活することに。やわらかな美麗グラフィックがぐっとゲーム内へプレイヤーを誘い、雑草と石くれだらけの荒れ地へ放り出します。『牧場物語』や『マインクラフト』好きにはこれがご褒美。いざ、夢の整地三昧の日々へ!
以上がガチ勢さん向けのご説明。この作品、ゆるゲーマーな方にとっては箱庭系の日常ゲームとして楽しめます。主人公は男女で性別を選ぶことができ、町に繰り出せば魅力的なキャラクターたちがあなたを出迎えます。野宿のダークエルフのお姉さんとか。「ひと月が20日、1年が3ヶ月」という設定はプレイのテンポアップにも一役買って、どっぷりゲーム世界にのめりこめる「ひたれる」作品です。
【6】『夢遊猫ハローワールド』
今年も登場「夢遊猫」シリーズ、ケモショタスペクタクル
ウディタといえばケモ。そしてウディタのケモと言えば、この方、明野さんですね。ウディコン第1回から「夢遊猫」シリーズを投稿しておられる超常連さん。ゲームシステムやキャラグラフィックの技術向上ばかりか、その作風の先鋭化からも目が離せません。今回は海洋モチーフのあるケモとなり、涼やかですね。
ゲームとしてはオーソドックスなRPGに見えて、一工夫したフロントビューバトル。横ラインの「位置」概念が射程に関わるため、移動コマンドを駆使して攻撃や回避に立ちまわるパズル要素が盛り込まれています。最初のボスからこのシステムをきっちり使いこなしてくるため、歯応えあるバトルや物語をお求めの方におすすめです。
【7】『クリッターズ』
作者 : Nojiyu さん
プレイ時間 :1時間~
ファミコン“ライク”ではなまぬるい、真のファミコンリスペクト
世にファミコンライクのぴこぴこゲーは数あれど、本作ほどのファミコン感の再現にこだわったゲームがあったでしょうか。スクショでは伝わらない部分が、とにかくすごいのです。画面全体にうっすら入った横ラインがブラウン管のにじみを思わせ、町を歩けばキャラ画像がブレ、マップを切り替えればキャラと地形の描画がラグる「あの感じ」までがファミコンそのまま。一方、戦闘システムはオリジナルで、懐かしくも新しいゲーム体験の誕生です。
ファミコン当時のローテクを、現代の技術で再現してしまうなら、これはもう一級の演出です。「それにしたってなにをどうしたらコレができるんだろう」と思ったら、まさかのオープンソース配布です。ウディタ作者、必見!
【8】『きみのかんじょーいれないで』
作者 : みやの さん
プレイ時間 :5分
たぶんきっとビジュアルノベル
語ってしまうのがもったない作品です。
ほんわかやさしいイラストをふんだんに散りばめ、台詞なしにプレイヤーさんが作品のメッセージをなんとなく感じとる。そんなゲーム。
オートセーブを駆使して、一度しかないゲーム体験を作り上げています。繰り返し遊べるのもゲーム性ですが、一度しか遊べないゲームというのも、いいものですね。
【9】『ウシのチキンレース』
作者 : ギルバート宮村 さん
プレイ時間 :1分
来ました、清々しいまでの一発ネタ
「なんでウシ?」とタイトルでオチて、DLしてみたら「ウシ用」のリードミーでオチて、本編でオチて、チキンレースなのでウシがひたすらガケからオチるかオチないかのゲームとなります。なんだこれは……。
ワンプレイはほぼ一瞬。わからないまま、わかる瞬間を求めて、ついつい右手の限界まで十字キーをがちゃがちゃやってしまうこと請け合い。一瞬の切れ味に特化した怪作です。
【10】『未完のエリザ』
作者 : ナイデン内田 さん
プレイ時間 :2時間~4時間
今年は“こっち”か、ナイデン節
ウディコン第6回からホラーアドベンチャーなどを投稿されているナイデン内田さん。第7回、第8回と猛烈なゴリラネタのプッシュののち、第9回ではきれいなナイデンさんに戻られて総合6位にランクインされました。今年の第10回では“どっち”で来るかと、その動静が注目されておりました(著者の中で)。
ということで今回はピアノ・楽譜をモチーフとしたファンタジックなアドベンチャー。商業ゲームもかくやという卓抜な演出力はぐっと見るものを引き込むことでしょう。時に陶然とさせ、時に恐怖させ、時にゴリラの話をさしはさむ。これこそナイデン節。
【11】『コトダマッスル』
総合力と書いてマッスルと読む、圧倒的な完成度
【12】『魔女の塔』
文字と数字を読み解き、記号に意味を見出そう
【13】『じじまごRPGmini』
頭をぽんぽんするあったかRPG
【14】『ポケットタッキュウ』
パワプロ×カードバトル×タッキュウ!
【15】『四角君の岩投げ』 ※エントリー停止
よくある迷路系ミニゲームと思いきや
【16】『サラと不思議な魔法石』
約束された熱中度
【17】『革命の外敵要因』
ブラウザゲームのような一大戦記
【18】『IMON ~Other Worlds’ Story~』
異世界への門をして“異門”
【19】『ハイスandカルト』
終わりなき印象改善横シューティング
【20】『穴があったから入ってみた』
安心して握ったコントローラーほど離しにくいものはありません
【21】『My VitrioL』
作者 : spleen さん
プレイ時間 :2~3時間
純文学であり一大叙事詩でありRPG
作者のspleenさんは重厚にして上質なテキストを主軸に、そのテキストへ寄り添ったRPGづくりに定評がある方ですが、今回は一層鬼気迫るものがります。人と竜、暴君と英雄という二軸の相克の歴史があり、それらが重なる集約点としての運命を背負った「竜殺しの毒を持つ青年と、竜の血を引く王女」が物語の中心となるのです。市販の小説レベルの練られた舞台設定であるとすぐに了解できるでしょう。
しかもこの二軸の歴史というのは、過去作のテーマをも思わせます。第6回投稿の『tear garden』の「人間と人間がせめぎあうストーリー」、第9回『血の穢れを乗り越えて・・・』の「人間とヴァンパイア(異類)を題材にしたストーリー」……つまり本作は、こうした過去作の蓄積が確かな結実となっているのでしょう。
【22】『灰色ノ油臭』
作者 : wnc develop さん
プレイ時間 :2~5時間
これはもはや哲学だ
ウディタと思うと面食らう、そんな作品。キーボード練習RPGとの名乗り通り、徹頭徹尾タイピング能力が問われます。移動するにもスペースキーで方向転換、Fキーで前進といった具合。DOS窓(コマンドプロンプト)時代のゲームを思わせる操作感のまま、タイピング内容もハード。アルファベットや、時にプログラムコードといった英数字オンリーの入力が求められます。
移動にさえ戸惑うシステムではありますが、ディストピア系SFを思わせる謎めいて不自由な雰囲気にはむしろぴったりマッチ。ゲームの一歩一歩、タイプの一打一打。その重みを意識せざるを得ない、考えさせる作品です。
【23】『もう二度と君に会えない』
作者 : モリ さん
プレイ時間 :15分
二重三重の没入型ホラーアドベンチャー
画像選びの難しい、どこを切り取ってもネタバレになりそうな高密度の短編です。
「このゲームは、ゲームの世界に閉じ込められたプレイヤーが、ヒロインと脱出をめざすホラーアドベンチャーです」との紹介文からわかる通りの、意欲作。複雑な導入になりそうなところを巧みな演出でぐっとプレイヤーを劇中へ引き込みます。開始1分で「うおっ」と声が出るでしょう。
おどろかし型のホラー描写は時に容赦なくゲームオーバーを叩きつけますが、オートセーブによってプレイのテンポは良好。閉じ込められたゲーム世界から脱出するため、プレイヤーはさらにその世界の「本」からある男の人生を追いかけることになります。劇中劇の構成を使いこなした良質な短編ホラー。
【24】『風雷嬢』
作者 : アマタ さん
プレイ時間 :10分
ふわふわエアリーなアクション&グラフィック
うら若き風神雷神の少女たちが、神さまとしての能力を試されることになり、その課題というのが人間のためになること。雷神のミライちゃんは電気療法の要領で人をキモチヨクする雷を落とし、風神のフウコちゃんの力で人間から発される感謝の心であるハートを集めます。風神雷神癒し系アクションなのですね。
規模としては、さっくり終わる短編ゲーム。それでもバッチリ満足感があるのは、凝ったキャラ描写のおかげ。なんと立ち絵がふわふわアニメーションしているのです。ゲームの結果でエンドが分岐しますが、目標が不達成なときでも「それはそれでアリ」と思えるやさしい結末なのも嬉しいポイント。アクション中もカットイン演出で魅せてくれます。
【25】『緋色の研究所』
作者 : くい さん
プレイ時間 :2時間半~4時間半
定番にして高水準の探索&脱出ホラー
追いかけっこアリのホラーアドベンチャー。同ジャンルの『もう二度と君に会えない』は明確な状況設定から始まるのに対し、本作は「謎の施設で目覚めた謎の少女が主人公」。手堅いセッティングであるとともに、シビアなリソース管理が特色。
アイテムの所持数には7枠の制限があり、資料(情報)や回復アイテム、食料のやりくりにゲーム性が付加されています。特に食料にかかわる「お腹」ステータスは移動や探索において最重要。一方、セーブがいつでも可能なことに始まり、チェックすべきポイント付近でポップする「!」や、マップ確認の機能を充実させたりで、親切設計でも高水準。
ボリュームもあって、実況・配信にもうっつてつけかも?
【26】『すっぽんクエスト』
作者 : えりやぬす さん
プレイ時間 :7時間~
タイトル部門のダークホース
作品名だけで勝利が決まる。そういうことがたまにあります。
ウディコン第10回でその境地にもっとも近いのが本作ではないでしょうか。この題名とは裏腹に、中身は端正なるポストアポカリプス。戦禍を逃れるためウイスキー蒸留所にて冷凍睡眠に運命をゆだねた資産家の息子シュンリ。彼が辿る数奇な運命が精緻なイラストとドット技法による映画もかくやという臨場感で語られていきます。光や陰影がとにかく美しい。
しかしシリアス一辺倒に偏らないサービス精神がネタの大盤振る舞いをせずにはいられないようで、このタイトルですら、本作が秘めるちからの片鱗に過ぎないのです。この美麗なタイトル画像でこの題字、何度見ても目をこすってしまいますね。
【27】『AnimalCurling』
作者 : カーリングゲーム創研 さん
プレイ時間 :2~3時間
“氷上のチェス”完全再現
2018年2月に行われた平昌オリンピックのカーリング競技女子において、日本代表「LS北見」が大健闘を見せ、大きな話題となりました。テレビの前で興奮した方も多かったはず。本作も、その感動をウディタ上で形にしたものです。簡単マウス操作ではあるものの、ストーリーモードで戦う動物たちは非常に手強い。飼育員と動物たちというほんわかさなのにカーリング勝負はガチガチにガチ。
それもつまり、カーリングの奥深さの表れです。石を円の近くに投げるだけ。しかしそこには複雑玄妙な駆け引きが潜むのです(ルール参照)。もどかしいからこその緊張感と好投の快感。あの日の感動を思い返したいアナタに。
【28】『PLAGUE HEAD2 ~明かされる真実~』
作者 : レイマスター さん
プレイ時間 :15~30分程度
ハイテンポな短編ホラーアクション
前作にあたるのが、ウディフェス外伝およびふりーむに投稿されている超短編ホラーアクション『PLAGUE HEAD』。プレイ実況などでも人気の作品。超短編と銘打つだけあって、ウディフェス外伝の趣旨に合わせた1プレイは10分程度のホラーゲームでしたが、パワーアップした続編が今回のウディコンに参戦です。
前作を知らなくても問題のない作りですが、お手軽なアクションホラーですからどちらも合わせて楽しみたいところ。映画の「ジェイソン」シリーズのように、続きものでも犠牲者が毎回変わるのでどこからでも楽しめるイメージですね。同時に、作品を重ねるごとに怪人のディティールが深まっていくという。
はたしてPLAGUE HEADすなわちペストマスクの怪人の真実とは――
【29】『ウディタのサンプルgame特別バージョン』
作者 : からあげもりもり さん
プレイ時間 :1~2時間
みどころは心意気
規約的にどうなんだろうという、なんとも悩ましい投稿物です。
なにしろウディタのサンプルゲームほぼそのまま。台詞の最後にウディタの10周年を祝す旨が追加された他、各所におかれたオウムが説明なくTwitter連動を求めてきます。変更点はそれぐらい(BGMも変わっていたりしていますが)。
かなりデリケートなことをしつつ、readmeなどのケアも無いとあってはユーザーさんを選ぶどころか遠ざけてしまうでしょう。しかし、ウディタとウディコンの大きな節目を祝いたいという思いは皆が同じくするところ。参加し、声を上げる心意気はご立派です。
【30】『魔法農場』
作者 : ハコノワ さん
プレイ時間 :1時間
呪文を唱えるドキドキ感にひたれます
前回ウディコンに『僕は旅商人』で参加されたハコノワさんですね。お店経営シミュレーションっぽいけれど一味違うオリジナリティが特徴でしたが、今回もそこは同じ。おおまかには農園経営シミュレーションでありながら、なんと本作は魔法使いが主人公で、しかも軽いタイピングゲーム。
呪文としてアルファベットを打ち込み、作物を植え、育て、収穫していきます。打ち込むのが意味ある文章ではないだけに、緊張感が損なわれません。打ちそこなうと軽いマイナス効果が出てしまいます。「魔法の呪文を唱える」ってこういうことなんだなあ! という感覚が、なんだか嬉しい。少しばかりタイピングに慣れてくると、機能拡張で魔法の効果範囲が広がったり、呪文を短くできたりとレベルデザインにも工夫があります。
荒れ地のようだったマップが華やかに変わっていくのも楽しいですね。
【31】『パズル問答』
帰ってきましたスタイリッシュなアドベンチャーパズル
【32】『G』
兄と妹と魔王の群馬県ファンタジー
【33】『レクイエム』
来歴を語るだけでもアツすぎる
【34】『Quiz world maze』
スクロールしながらの、道が続くかどうかヒリつく「あの感じ」
【35】『Friendly Island』
ふしぎな島に集ったふしぎな人たちの交流RPG
【36】『ハイエン』
ハイエン=排煙/廃園/肺炎
【37】『ディアボロスフォビア』
メイラとココナの”デビルハント”の物語
【38】『100層洞窟』
100フロアを作り切ったタフネスに喝采を
【39】『わらわらすぴりっつ』
確立された精霊さんたちの世界観、そのやわらかな魅力
【40】『あなたは呪われてしまいました』
あなたは“気づける”ひとですか?
【41】『エライザの食卓騎士』
戦うことと食べることを考えるRPG
【42】『Wonder Pict Land =絵本の世界で=』
ポップでキャッチーバイオレンス
【43】『物欲夢幻地獄』
悟るまでは終われません
【44】『ウルファールライヒの栄光』
サンプルゲーム解釈への新たなる一頁
【45】『そうだ脱出しよう』&【46】『出口を探そう!』
異例の連結レビューとなりますが、
【47】『狩る狩るガールTV』
時代を捕えた横スクアクション、狩る姉さん
【48】『フロースラントの魔法屋さん』
愛と吝嗇のリソース管理シミュレーション
【49】『パティシエになるのだ!』
甘いケーキと辣腕ばあちゃん
【50】『レガシアの洞窟』
ポンヌエクトを てにいれるまでは くにに かえれない。
【51】『ドラゴンナイト伝説』
作者 : 粉粉粉粉粉 さん
プレイ時間 :3分
意外性という意味では随一ではないでしょうか
「アクションゲーム?的なものです」と作者さんコメントにあり、タイトル画像は勇壮なハイファンタジーを思わせます。なるほど任意の戦士を選んでドラゴンと切り結ぶアクションなのだなとゲームを起動すると美しい花畑をバックにボタンの目押しゲームが始まって終わります。いやーおどろいたなもー
ハイスコアは大きな桁数になるのが思いのほか嬉しく、結果のツイートシェアもできるようです。
【52】『key&wolfarl』
作者 : tento さん
プレイ時間 :10分~30分
「1つエターなれば凡人で、100万個エターなれば神だ」
定番の脱出ゲームです。密室からの脱出でありながら、本作は「ウディタ初心者からの脱出」でもあります。ウディコン応募直前、ウルファールさんにとらわれたウディタユーザーとなってあなたはウディタの密室から抜け出すのです。それはすなわち、ウディタユーザーのリアル。
当然に出題されるのはウディタ技術や知識にかかわる問題ばかり。このゲームをクリアするころには現実のウディタレベルもアップしていることでしょう。ウディタ初心者さんにおすすめなのはもちろん、中級者以上を自認するあなたも、初心にかえってみませんか?
【53】『コルンの赤い真珠』
作者 : 学業院中学校科学部 さん
プレイ時間 :15分~20分
なつかしいレトロタッチのARPG
主人公の少女がおつかいに出かけた小冒険で、おもいがけない運命に出会うお話です。古代の王の秘宝がそこに絡んできて……という王道ながら、そこを歩き通せば確実に手堅くおもしろくなることを期待させる導入です。音楽で言えばカノン進行というやつですね。
シンプルなARPGながらも、剣や槍、弓、銃、魔法と多種多少の武器が選ぶことが出来、そのほかのアイテムも日用品などが豊富な意欲作です。ザコも一定回数倒すことでスキル習得、ダンジョンはランダム生成と大変にやり込みがいがあります。スケールに比してプレイ時間が短いのですが、今回は体験版的な位置づけとなっているようです。
【54】『cave search』
作者 : ゆーた さん
プレイ時間 :10秒〜1分
意外な原石かもしれない
「プレイ時間10秒〜1分」、「制作1日」とのことで、さくっと終わるゲームと油断しておりました。実際その通りの超短編ではありますが意外なゲーム性を秘めています。これは、「脱出ゲーム」や「鬼ごっこゲーム」ではなく、洞窟をさまよう夕一を見つけ出して助けるゲームです。ダイエットに失敗した夕一は洞窟を歩くたび地面に穴をあけてしまい、やがては自らその穴に落下してしまう運命にあり、プレイヤーは彼を一刻も早く救い出さねばなりません。
追いかけっこではあるのですが新たな切り口となっています。難易度が三段階あるものの、初期配置で夕一とどれだけ離されるかの運によるところが大きく、制限時間など要素を足していけば大化けしていたかもしれません。
【55】『メツァルナ』
作者 : フォジョリン さん
プレイ時間 :4~7時間+y
歴代屈指、圧倒的な「プロっぽさ」
マウス&キーボード操作の横スクロールアクションRPG……とのカテゴライズにおさまらない世界観、キャラ、ビジュアルのパワーが大爆発。ゲームとしても高度かつ独特なアイディアが満載です。導入直後は訝しむようなシステムはシナリオのおもしろさでカバーしてと、抜かりの無い総合力。
それもそのはず、前回ウディコンでも独自路線で注目を集めた12位『邪策の枷』の作者さんです。リズム&パズルによるバトルという離れ業をやってのけた方の次回作なのだから、それはもうアドレナリンどばどばのプレイ体験が約束されたも同然なのでした。第一声で心をつかむ、ぬるぬる動く立ち絵のキャラクターは必見です。
【56】『君は空を渡り地に響く、おおきなものになりたかった。』
作者 : 北街 さん
プレイ時間 :5~7時間程度
「踏めば死ぬような姿のお前らが、何のために生まれたのだ?」
猫にも劣る脆弱なスライムとして生まれたあなたは、強靭なモンスターとなることを夢見て、生き、死ぬのです。ゆえに魔王はあなたに問いかけるのです。「踏めば死ぬような姿のお前らが、何のために生まれたのだ?」。荒涼にして殺伐のノンフィールドたまごっちRPGです。たとえが旧いかもしれません。
骨子はむしろ育成シミュレーションでありながら、その乾いて過酷な世界観から、1コマンド1コマンドの重みがずっしり感じられる手応え抜群のRPGとなっています。RPGの目的である「強くなること」にこだわり抜いた一本。そしてまた、管理すべきパラメーターやアイテムも膨大であることが、強さとはひとつでないことも告げています。
【57】『エウレカ・クラン』
作者 : カザ&ソロー さん
プレイ時間 :2~5時間
歴代屈指、圧倒的な「プロっぽさ」その2
エントリー【55】『メツァルナ』で同じことを言ったばかりですが、本作『エウレカ・クラン』も商業レベルの作り込みでは勝るとも劣りません。スケールの大きな歴史観を踏まえた冒険の物語ながら、その導入を素早く済ませつつ、快適なチュートリアルでゲームの美味しいところをすばやく遊ばせてもらえます。
ノンフィールド風味に簡略されたダンジョンである一方、ハイテンポな戦闘は手軽ながら奥深い。グラフィックの美麗さもさることながら、なんと立ち絵は目パチ口パクまでやってくれるのです。PCにPS4コントローラーをつなげて遊びたくなる一本です。全体のトーンは夏島のように明るく爽やか、この夏休みにぴったりです。
【58】『退廃芯所』
作者 : まいなーそふと さん
プレイ時間 :30分~1時間
ノンフィールドRPGの系譜
第6回第3位『ロードライト・フェイス』、第8回22位『いばらのうみ』などに連なるウディタ製ノンフィールドRPG作品です。マップ移動を簡略化し、そのぶんひとつひとつの戦闘の比重を高めたジャンルであり、プレイヤーは戦闘と戦闘の間でいかにHPや装備と言ったリソースをやりくりするのか考え続けることになります。RPGでありながらSLGな楽しさがあるぶん、ゲームバランスは玄人好みになりますが、本作ではいくぶんカジュアル。よりオーソドックスなRPGに近づいた感触となりますが、自作システムでオーソドックスに寄せるというのはむしろ大変。そこを乗り越えた本作は結果的にはわかりやすく、遊びやすいプレーンな、規範足り得るノンフィールドRPGとなっています。素材の自作率も高い様子で、フリゲならばそれだけで個性がババンと打ち出されるのも魅力ですね。
【59】『花まるプリンセス』
作者 : とんすけ さん
プレイ時間 :2~5時間
ウディタでアイカツ、大作の感動ストーリー
おにぎり屋の看板娘、梅ちゃんが母親の病をきっかけにアイドルを目指し奮闘するお話で、RPGというよりはADV、ノベルに近いプレイ感です。デフォ戦闘をアレンジしたレッスンやライブの表現はスクショの印象以上の臨場感。ノベル調ではあるものの、キャラ台詞だけであらゆる機微を描くストーリーライティングの力も突き抜けたものがあります。
細かくセーブが入り、テンポよく梅ちゃんはアイドルへの階段を上っていきます。順調一辺倒ではなく、失敗や試練もあり、当初は「家族のための金策」であった「アイドル」を深く理解し、輝きながらはばたいていく梅ちゃんの姿をぜひ見届けてください。
【60】『Promises of Sacrifice』
作者 : ミナミバショウ さん
プレイ時間 :30~60分
ダンジョンを踏破せよ、この一言で投げかける
第9回ウディコン19位『±ZERO』のミナミバショウさんですね。その他投稿作も多く、ジャンルを問わずに活躍されておりましたが、今回はマウス&キーボードWASD操作の硬派なアクションRPGです。第一ステージのボスからかなりの強敵。ついてこれるやつだけがついてこい、と言わんばかりの男らしさ。
切り替えられる武器も剣、爪、槍となんともいぶし銀。それはシナリオやマップ美術などでも同様で、必要なだけのシンプルな配置でプレイヤーが想像する余地を広くとった構成。おぼえていますか? といきなり問いかけられては、食らいつかずにはいられません。能動的にゲーム体験を勝ち取っていくデザインの作品です。
以上、60点。
作者の皆さま、お読みくださった皆さま、お疲れ様でした&ありがとうございました!
どうも、ヤパヤパです。
四角君の岩投げ、エントリー停止しましたー。
ふりーむ!に載せますので、搭載されたら
そちらのリンクにしてもらえませんか?
ヤパヤパ様
ご高覧、コメントありがとうございます。
対応いたしました。
リンクはこれです→https://yahoo.jp/box/w2nOSJ
(ふりーむ!じゃなくてYahoo!ボックスに公開することにしました。)
お知らせいただき、ありがとうございました。
再度記事を修正いたしました。