【まとめ】おすすめ同人SRPG8選

過去に次のようなウディタ製のSRPGまとめ記事を書きました。

おかげさまでこのブログのなかでは上位の閲覧数を保つ記事となりまして、SRPGは人気のあるジャンルなのだなぁと改めて実感しております。

【まとめ】ウディタ製SRPG8選+α

そしてまた、ウディタに限定しなければ、名作の同人SRPGは数多あります

他記事でよく引き合いに出すものの、ウディタではないからと詳述を控えていた作品などもありますし、この機会に改めて語らせていただきましょう。

斬新システムが光るSRPG

『MagicScrollTactics』

MagicScrollTactics
(DLsiteへ)

膝を打つ<横スクロール>SRPG

かの『片道勇者』は、RPGとローグライクのいいとこ取りをして中毒性の高いゲームシステムを生み出しました。本作『マジックスクロールタクティクス』も同様です。

SRPGはおもしろい。おもしろいんだけど、マップの広さとキャラの多さがネックになる時もあります。あちこち目を配るのは頭のちからを使いますよね。SRPGの醍醐味をそのままに、こうした大変さだけをとっぱらうことはできないか――この難題への解答が「横スクロール」のSRPGです。

基本は左から右へ進めばOK、上方向への移動は「高さ」の変更となるので、ハシゴや台など目に楽しい地形の表現となり、あるいは飛行可能なユニットの独壇場として特性の見せ場にもなるのです。ユニットの多くは「召喚獣」という設定付けのため、覚えるべきネームドキャラが整理されているのも良いですね。

製作元のオートリ電子さん(サイト)は、東方同人のゲームを作っていたこともあり、本作でもその経験が生きています。

  • かわいい女の子がたくさん居て、それぞれの個性や能力がはっきりしている
  • そしてそれらゲームシステムとリンクして……というゲーム中の諸要素のあしらい
  • 「弾幕」を思わせる美麗な戦闘エフェクト
  • 異変が起きたぞ! 解決するのはこの子だぞ! と、話運びもスピーディ

 

『無限世界SRPG』

無限世界SRPG
(DLsiteへ)

SRPG×ローグライク=無限の征服戦争だ!

ローグライクといっても今は定義がむずかしいところですが、「マップがランダムに生成され、何度でも新鮮な気持ちでゲームがプレイできる仕組み」ぐらいに考えてみましょう。「ふしぎのダンジョン」がわかりやすいですね。『片道勇者』も該当します。

近年ではインディーズで多くのジャンルがローグライクとの融合を果たし、斬新なゲームを生み出しています。たとえば「見下ろし2Dアクション×ローグライク」である『Wizard of Legend』とか。

となれば、SRPGだってローグライク化できるはず。そのひとつの答えが本作です。

普通に考えれば『FE』のようなキャンペーン型(面クリア型)のSRPGで戦闘マップが自動生成されるゲームになりそうですが、本作『無限世界SRPG』の警抜なところは「世界の絶えざる征服戦争」としてローグライクのエッセンスを取り入れたところでしょう。

世界=ワールドマップを移動し、その過程で敵と出くわしたら、周囲のマップが切り取り&拡大されて戦闘マップとなる……という構成となっているため、1つの世界のなかでの戦闘は連続性が保たれ、プレイヤーが大きな攻略順を考える楽しみも生まれています。

そう、実はローグライクだけではなく、シミュレーションゲームのゲーム性も取り入れられているのですね。

作者は大ベテランにして小説家でもある「るてんしと」さんこと「柳井政和」さん(サイトへ

ゲームの「ストーリー」も「キャラクター」も「プログラム」も同一人物が高水準でつくれるということで、それだけで作品の総合的な完成度は高まります。

 

無限に戦い続けるSRPGだから主人公は史上に征服王と名高いイスカンダルであり、彼が無限に制服を続けられる舞台を与えるために「時空神との戦い」というお膳立てをしているわけですね。キャラクターの物語もキマっています。

 

以下、作品の公式サイトからの引用。

 ――世界を征服したい。
それは世界を知った日に抱いた夢である。教師が語る世界の形。それは幼きイスカンダルの心を、大きく羽ばたかせた。
大人になったイスカンダルは、歴戦の兵たちを率いて、征服事業を開始した。大陸を東進し、数々の国を滅ぼし、屍を積み上げ、欲望の糧とする。
そして時が経ち、志半ばで死期が迫ったとき、一人の女神が現れた。(中略)
「人の欲望には際限がない。神をも恐れぬお前には、相応しい地獄を用意しよう(中略)
無限世界を転生して、世界征服に挑み続けるという地獄だ」
しかしイスカンダルは、不敵な笑みを浮かべた。(中略)
「無限世界の征服に挑む。それは果たして地獄なのか?」

うーん、カッコイイ……

 

 

堅実なシステム&シナリオによる正統派

『パイレーツ7』

PIRATES 7(パイレーツセブン)
(DLsiteへ)

プロレベルの構成力で送る独自世界の重厚な群像劇

大陸の大部分が海中に没したファンタジー世界を舞台に、海賊王女カリビアが痛快に暴れまわる海洋ロマンSRPG!

ライバル海賊がいるのはもちろん、版図拡大を狙う騎士団や、謎めいた島に潜むふしぎな存在……と多くの勢力が絡み合う人間ドラマを確かな筆力で書き上げつつも、南国のようにからりと明るいフレーバー。SRPGでは定番の「敵の主力を押しとどめながら、別働隊を派遣して財宝の回収も行う……」といったプレイも、本作のフォーマット上ではトレジャーハンターものの映画のような緊張と爽快感

コンシューマで言えば『FE覚醒』『FEif』あたりの快適な操作感そのままに、まったく違った感覚で楽しめる一本となっています。

なにがスゴいって製作元のサークル773さん(サイトへ)の経歴です。

コンシューマゲーム会社勤務を経て、2010年以降フリーランスでお仕事を募集しております。
シナリオのほか、プランナー経験がありますので仕様作成含めた案件も可能です。

とのことで、サイトの作歴でもさまざまなコンシューマ作品のシナリオにかかわっておられます。

 

その筆力は『パイレーツ7』でも遺憾なく発揮されて、プレイを阻むような長い説明などなしに、軽快な会話劇を楽しむうちに自然と作品世界のことがわかっている――という体験ができるのです。

 

『だぶだぶカルテット』シリーズ

真だぶだぶカルテット!
(DLsiteへ)

ベーシックなSRPGにひとひねり、爽快の“だぶだぶ”システム

こちらもおそらくSRPG作歴約10年のベテラン作者さん。「だぶだぶ」と冠されたシリーズを発表されています。安定感ある作風に加え、作品ごとに新たな工夫がくわえられた「ベーシック+α」なシステムはわかりやすく、新しいつくり。

どの作品もおすすめで、ここではDLsiteで体験版に触れられる「真だぶだぶカルテット」を上に取り上げておりますが、シリーズ名でもある「だぶだぶ」システムがこの作者さんのSRPGの特徴でしょう。だぶだぶとは、「敵を3体倒すと使用可能になる範囲技(コマンド)」なのです。これなかなかの爽快感。「覚醒」といったHPと引き換えの能力強化もあり、メリハリの効いた戦略が楽しめます。また、キャラクターイラストのかわいらしさも魅力です。シリーズの多くは王女や騎士をフィーチャーしつつ、ゲーム全体においてテンポがよく、気軽に楽しめつつ、歯ごたえを求めるプレイングにも対応できる良バランス。

SRPGはおもしろいけれど開始までの腰が重い……という経験は誰にでもあると思いますが、おおむねそれはマップの広さとユニットの多さのため。上記の『MagicScrollTactics』は横スク化でこれに対処しましたが、「だぶだぶ」シリーズでは「だぶだぶコマンド(範囲技)」がその解答だと言えましょう。

 

ふつうに範囲攻撃を作ろうとすると、そのコマンドの使用にきびしい使用回数の制限をつけることでバランスをとろうとしてしまいますが、「だぶだぶ」は「敵を3体倒す」だけ。これがまた程よい設定なため、大味にならずに攻略がすすめられるのです。

 

また、こうすると不安なのが、「エースユニットばかりが経験値を持っていくこと」ですが、「だぶだぶ」シリーズでは<お金による育成・成長>を採用し、育ち遅れるキャラが生まれづらいようにしているのですね。視野の広い親切設計です。

 

二次創作だからこその熱意と愛のSRPG化

『幻想少女大戦』シリーズ

幻想少女大戦夢
(DLsiteへ)

スパロボライク、超絶ドット&アニメによるこだわりの戦闘演出を見よ!

SRPGは1度の戦闘で、敵も味方もかなりの人数が出てきます。キャラ数が多い「東方」で同人ゲームを作るなら、SRPGはうってつけのジャンルなわけですね。さらに本作はSRPGのなかでも「スパロボ」ライク。スパロボは超常の存在が地上や上空を自在に舞い、銃撃戦や特に白兵戦を行うというフォーマットですから、これまた東方とマッチします。二重三重の高相性、その熱中度はひとしお。

数年がかりで続いたこのシリーズも、この「夢」で最終作となるそうで、まさに集大成。物語はシリーズを通してつながっており、データ引継ぎなどの機能も充実しています。もちろん本作単体のプレイも可。「星蓮船」までのキャラクターを収録し、スタッフさんの東方愛がぎゅっと凝縮しているばかりではなく、プレイヤー自身が好みのキャラクターを偏愛するための「嫁ポイント」なるシステムも。存分に東方を愛しましょう、という作品です。

シリーズ楽曲の充実っぷりも魅力です。

 

東方原作サブタイトルに合わせ「紅」、「妖」、「永」、「夢」とシリーズも続いていて、そのすべてでサントラも頒布されています。いずれもCD3枚組の大ボリューム。50曲超! ゲームの設定資料などを含むブックレットにも力が入っております。

 

幻想少女大戦夢 オリジナルサウンドトラック
幻想少女大戦夢 オリジナルサウンドトラック(DLsiteへ)

 

製作元のさんぼん堂さんのサイトはこちら

 

『MILLION T@CTICS!』

公式Twitterへ / 体験版のグーグルドライブへ

まずは体験版をやってみて! 起動してすぐトリコ

一大ジャンルとなったバンダイナムコの『THE IDOLM@STER』。そのひとつ、「ミリオンライブ」で二次創作SRPGをウディタで作り上げた傑作がこの一本。ウディタでSRPGを作ることのみならず、シェアウェアとしての展開方法、二次創作としての真摯さと原作愛を背中で語る必見の作品です。

SRPGとしてはクォータービューで、いわゆるタクティクスオウガ(TO)ライクですね。原作からキャラが多数というジャンルはSRPG向きなわけですが、元ネタのキャラクターひとりひとりの個性を大事にSRPGへと落とし込み(ジョブやスキルの工夫)、原作に合ったアイドルとしてのステータスという要素もそのままSRPGへなじませる手腕はお見事です。ドットワークもすばらしく、眺めるだけでうっとりできるような世界観です。

なにはともあれ、公式Twitterさんのご紹介をご覧ください。

 

レトロな味わいの精緻に編まれたFEライク

『SRPG studio』製の諸作品

SRPG Studio
(DLsiteへ)

『ファイアーエムブレム(FE)』ライクなSRPGがお手軽に制作でき、しかもユーザーによるカスタマイズ性も高い夢のエディター『SRPG studio』公式サイトはこちら)。

2015年の登場以来、2019年現在までほぼ毎月のようになにかしらのアップデートがなされている今なお進化中のエディターですが、はやい時期からこの『SRPG studio』を駆使した名作が続々と登場しています。

個別に紹介するとキリがないほどですので、他の掲載サイトさんのご紹介などにとどまりますが、きっとお好みのSRPGに巡り合えることでしょう。

 

開発中作品『インペリアライザー』

公式サイトへ

独自エンジンによって開発中、期待のヘックスマップ<硬派>SRPG

将棋盤のようなマス目ではなく、ハチの巣のように六角形のマスがつながったヘックス型のマップです。『ベルウィックサーガ』ライクというのが、いちばんわかりやすいでしょう。グラフィックやシナリオの雰囲気は見る人が見ればピンとくるSFC時代のファイアーエムブレムのリスペクト。プレイヤーさんと作者さんの知恵比べをするかのごとき難易度まで踏まえれば、『FE聖戦』好きさんに自信をもっておすすめできる一本です。

独自要素もふんだんに加味され、魔法の属性分けなどはロマサガっぽいような気もします。結果、ユニットひとりのステータスは2ページにまたがるほどユニットのステータスを見るだけで楽しい、いろいろ妄想が膨らむというゲーマーさんも一定数おりますし、そういうった楽しみ方を補強するように本作は大帝国の内部にフィーチャーしての政治劇。幾多の人物と思惑が絡み合う濃密なストーリーです。

必見の製作ブログ(リンク)


参考
インペリアライザー制作記録インペリアライザー制作記録

ヘックスマップを扱う上での射程の考え方や、多数のキャラを登場させる際にも困らないようなメッセージ表示中のUI機能など、よくよく吟味しながら機能を追加していくお姿からは学べるものが多数あります。

 

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バッファロー