ウディタやツクールは、プログラミング不要でゲームが作れる夢のツールです。
ですから、プログラミングができる人が使うとさらに夢のようなことができてしまいます。
ウディタ作者さんご自身が、『片道勇者』などを作るためにプログラミングをしてウディタから作ったわけですしね。むろん、他のウディタユーザーさんにしてもサポートツールを自らこしらえて創作に励んでおられます。
そんなプログラマブルなウディタ活動を手広く行い、太っ腹な技術共有を行っておられるサイトさんがありました。
その名も「α-Stella」さん
参考 HOMEα-Stella運営されているのはK-Shin07さん。
サイトに記載の情報では、C++をはじめとするプログミング言語を複数操るほか、楽曲制作ソフト(Cubase Pro 8)、イラストツール(CLIP STUDIO PAINT)、流行りのVTuberでも必須の3D構築環境(Unity、Blender)とマルチにクリエイティブなスキルを会得しておられます。
もとよりゲーム制作は多芸さが求められますが、これは大変に広い守備範囲ですね。
さて、そんなスゴ腕さんがウディタに触れるとどうなるかといいますと……
高機能の制作補助ツールたち
ウディタ用の開発補助ツールが誕生です。
こちらのリストにあるのは現在5つ。Wodistant、WoditorOptimizer、Woditoride、WodiKs、WECDeletor……
ここでは、そのうちの2つをご紹介しましょう。
Wodistant
2018年発表の最新作。詳細な特設ページがあります。
参考 Wodistantα-Stella一言でいえば、便利なショートカット集ですね。ウディタをプロ仕様のツールに一歩近づけてくれます。
こちらの記事でも紹介しておりますが、ウディタでシステム完全自作をしようとすると、コモンイベントは数重から数百個にも膨れ上がります。
あのコモンはどこにあったっけ?
なんてことが頻発するわけで、そんなときにこの「Wodistant」を使うことですばやくサーチが完了するのです。
自分で場所を忘れるのだから、ほかの人にとってはコモンの探り当ては大変な作業です。
ウディコンなどでも意欲的な大作ならば共作・合作は珍しくはありません。チーム制作においてこそ本領を発揮するツールなのでしょう。
WoditorOptimizer
ウディタの『CommonEvnet.dat』を最適化して全コモンや任意のコモンを高速化できます。
実は「処理速度を気にするなら、こうしたほうが良い」という話はあちらこちらに溢れています。
それはウディタの仕様であったり、プログラミング全体の原則であったりとさまざまですが、いずれにしても面倒くさい!
処理が速いコードと、読みやすいor打ち込みやすいコードはまた別物。書きやすいように書いてから修正することを最適化やリファクタリングというほどです。
さて、というわけで「ウディタのソースコードの最適化を自動でやってあげましょう」というのがこのツール「WoditorOptimizer」なのですね。
最適化したいコモンを実行してボタンを押すだけでぜんぶやってくれちゃいます。
システムを自作できる技術派にとって、処理の重さでユーザーさんを逃がすことは悔しいものです。本ツールのようなお助け機能を念のためにでも通しておくと、安心度が違いますね。
自信作のソースコードをこのツールに通してどう直されるのか、なんて腕試しもおもしろそうです。
ウディタコモンの赤ペン先生と言えるやも。
α-Stella[R]_ブログ
ブログもあるようです。
参考 ブログα-Stellaたとえばこちらの記事では、ウディタ中級者以上を対象としたコマンド文に関する小ネタをまとめておられます。
それも知っていればショートカットになる便利な入力方法や、処理速度に関する調査結果というあたりが、なんともデキるユーザーなら知っておきたい知識でしょう。
・コメント文やチェックポイントの処理負荷
・空コマンドの処理負荷
・ラベル処理の負荷
・コモンイベントの起動方法の違いによる処理負荷
コメント文やチェックポイントの処理負荷
コメント文2.2個につき『変数操作:Cself[0]=0+0』1個分
空コマンドの処理負荷
コモンイベントの最終行やループ内の最終行に自動的に挿入される空のコマンドにも処理負荷が存在する。処理負荷はコメント文とほぼ同等だが、極わずかに軽い。
以上のようなことを調べてこられた方だからこそ、さきほどの制作補助ツールの信頼度も高いのですね。
Energy Gate – 体験版 –
補助ツールは2012年から2018年にかけて開発を続けられておりますが、2011年時点でアクションパズルゲームも制作・発表されております。
その名も『Energy Gate』(ダウンロードページ)。
サイトのゲームページではなく、ブログのサイドバーに載せているきりの奥ゆかしい掲載ではありますが、その作りこみは本物です。
これ、ウディタ製なんですよ。
あみだくじのように線と点をたどるエナジーを、タイミングよいテンキー操作によってゲートへ放り込んでいく……
このシンプルなルールに多彩な味付けや演出をほどこした新感覚のアクションパズルなのですね。