ウディタやツクールで言うところの「人形劇」とは、ホコグラ(歩行グラフィック)をふんだんに動かして行う演出です。
主人公や仲間のキャラドットを歩かせたり、「!」や「?」のフキダシを出させたり、戦闘アニメを表示して戦ってる様子を表現したり……
近年の3D主体の商業ゲームであっても、『オクトパストラベラー』のようにレトロ感を売りにした作品では今も丁寧な人形劇が行われていますね。
今回は、人形劇での演出では最もシンプルかつ、守備範囲の広い演出である「ホコグラの目パチ」のお話……というか実験です。
思い付きを試したログですね。
ホコグラの目パチの利便性
2DのドットRPGの人形劇において、お手軽なわりに高い効果を持つのが「ドットキャラの目パチ」です。これがあるだけで、気絶や眠り、考え込む様子……とその他もろもろに対応できる便利な表情です。
たとえば「ベッドに入って休む」なんてRPGによくあるシーンで、キャラに目をつむらせるだけで、そのキャラの「生きてる感」はぐっと変わってくるものです。
作るのも簡単。
ホコグラの目は2×3ぐらいの6マスほどで描かれることがほとんど。目を、肌色と黒など(まつ毛の色)で塗りつぶせば、「目を閉じた」ことにできちゃいますね(上図参照)。
ウディタのデフォ素材ドットはより小さめなので、加工はさらにラクチンです。
素直なホコグラ目パチの作り方
まずは、目の状態別に、2~3種類のドットを用意しましょう。
2・半目(閉じかけ)
3・目閉じ
1~3を行き来することで、目パチになります。
キャラドットのサイズや演出意図によっては、中間の2を飛ばして、いきなり1と3の切り替えでもよいでしょう。
この切り替えをどうするかというと、「キャラの動作指定」の「グラフィック変更」です。
システムデータベースの「8:キャラクター画像」に登録した内容を、キャラの動作指定からナンバーで呼び出して切り替えていきましょう。
コモンイベントで簡略化する
いかに効果の高い演出とはいえ、正直なところ面倒臭くもあります。
1キャラあたり、目のバリエーションだけで3つの画像素材を用意しなくてはいけないわけですから、システムデータベースの登録も同様にかさみますね。
最終的に4人パーティーになるゲームだとして、全員分に目パチ演出をつけるのは、どうにも気重……。
というわけで、「アイマスク法」でサボれないかの実験です。
つまり、「閉じた目」のピクチャを用意して、アイマスクのようにドットキャラの上にかぶせることで「目パチ」を表現しよう、というもの。
制限もつきますが、うまく行けば用意する素材は「元のホコグラ(キャラドット)」+「汎用目閉じ画像」だけで済んでしまいます。
試験的にやってみました。
ドットの仕様を揃える
アイマスク画像1種類で済ませるためにも、アイマスクをかぶるドットキャラたちの目元が同じ雰囲気に揃えられると望ましいです。
まつ毛の色や肌色、目元にかかる髪の具合が違いすぎると、なじむアイマスクをキャラごとに作り直すことになってしまうためです。
逆に言うと、ドットキャラの目元には多少の縛りが生まれます。アイマスク法の弱点でもありますね。
汎用の「目閉じ」画像を用意する
上で「アイマスク画像」と言っているものですね。
EDGEなどのドット絵用ツールを使って、閉じた目の周辺パーツを切り抜いて保存しましょう。
この目だけパーツ(アイマスク)が、通常のキャラに重なれば目を閉じたように見えるわけです。
コモンでアニメーションさせる
あとはコモンイベントにて、「キャラドットの上にアイマスク画像を表示し、その画像の”縦”拡大率を0%~100%と動かす」ことで目パチは完成します。
留意点としてはこんなところでしょうか。
・キャラの向きによってアイマスクの位置や形状が変わる
